Interview
ルールを守りつつ
新しいカテゴリーを
つくっていく
- 日頃からゴルフを楽しまれている熊谷さんですが、今回はスタイリストの視点から「洒落た大人のゴルフスタイル」というテーマで、着こなしを提案いただきました。コーディネートを組む上で共通したポイントはありましたか?
- 熊谷 隆志(以下K):ゴルフはジャケット着用が義務付けられているクラブハウスもありますし、襟付きのトップスはマスト、カーゴポケットのついたようなパンツもNGです。紳士淑女の楽しむルールあるスポーツなので、清潔感、上品さという部分には気を配りました。僕はゴルフを始めた当初は、反骨精神からゴルフ場にそぐわないようなストリートブランドのウエアを着ていたこともあったんですが、やっぱり「郷に入っては郷に従え」。ゴルフマナーを理解していない人は格好悪いんです。そういう意味でフェリージやコール ハーン、ブリーフィングのようなクラシックなスタイルは、間違いないと思いますし、街でも着られるアクティブでモダンなソフやユナイテッドアローズの装いも、新しくて良いですね。
- ルールの中でファッションを楽しむというのも、ゴルフならではの魅力ですよね
- K : そうですね。ルールを守りつつ、自分たちで新しいカテゴリーを作っていくのがいいんじゃないかな、と思います。個人的にはおじさんがピチピチのウエアでプレイしている姿はあまり格好いいとは思えないので、そのイメージを変えるのが僕の役目だと思っています。
- 昨今のブームの中で、ゴルフのファッションにどんなトレンドがあると思いますか?
- K : 一時は新しいブランドがひと月に50以上誕生したとも聞きましたが、上品さや清潔感のない、ゴルフマナーに逆らうようなブランドはなくなっていると思います。やっぱり本物は残るんですよね。トレンドという意味ではあまりないかもしれませんが、ファッションはサイクルで変わっていくものだから、70年代、80年代、90年代など過去のスタイルをオマージュしてものづくりをしていくブランドは増えていくと思いますね。