美しいものを愛し、本物を愛する。そんな
余裕と品格に溢れた大人のファッションへ
の知的好奇心をくすぐる六本木ヒルズのク
リエイターインタビュー連載第2回。

美しいものを愛し、本物を愛する。
そんな余裕と品格に溢れた大人のファッションへの知的好奇心をくすぐる
六本木ヒルズのクリエイターインタビュー連載第2回。

今回は、クリエイティブディレクターの
ムラカミカイエさんに
「長く愛せる美し
い」アイテムを紹介してもらいました。
アート、デザインに対して高い審美眼を
持つ氏ならではの哲学
の詰まったプロダ
クトに注目です。

Beauti-Full Things KAIE MURAKAMI

Interview

過去と未来を踏まえた
新しい提案になっているか、
そんなモノに惹かれます。

“デザイン哲学を感じるタイムレスな小物”というテーマで六本木ヒルズのショップの中からアイテムを選んでいただきましたが、そもそもムラカミさんは日頃どのようなデザイン哲学を持ってお仕事されているのでしょうか?
ムラカミ(以下Mファッション、ビューティー、都市開発など様々なプロジェクトに携わっていますが、共通して「欲望とどう向き合うか」から考えることが多いです。欲望は時代と共に変わり続ける非常に扱いが難しいもので、且つ、個人欲や社会欲、クライアントの欲望を満たさない限り仕事としても成り立たない。特にコロナ禍以降は、世界中で経済が伸び悩んでいるし、環境問題も深刻ですから、欲望を単に拡張するのではなく、“バックキャスティング(未来からいまを見る視点)”を元に、あるべき未来の方向に軸足を向けられるか、テクノロジーやコミュニティの成長性や可変性を踏まえて、如何に無駄なく完成させすぎないか、ということに気を配っています。
“未来でも機能するデザイン=タイムレスなデザイン”だと思いますが、ムラカミさんにとってその定義とは何でしょうか?
M : 過去と未来が折り重なって続いていくもの、だと思います。どちらかだけだと物足りないし、事足りない。何より時代に残るようなデザイン強度も高まらない。これまで築かれてきた人類の文化的研鑽を踏まえつつ、これからの生活を踏まえた新しい提案になっているか、というところかな。自分の手がけるプロジェクトでは過去の膨大な情報を徹底的に掘り下げて、これから起こりうる時代のムードや社会の要請をシンプルに表現することを意識しています。スタイリングだけでなく、文脈的な厚みのあるデザインに惹かれますし、今回ピックアップしたアイテムもそんな魅力があるものを選びました。

Beauti-Full Things KAIE MURAKAMI

UNITED ARROWSには
伝統という絶対的安心感がある

UNITED ARROWSは日本という島国で西欧のドレススタイルを独自発展させてきた伝統的なブランドで、個人的に絶対的な安心感があります。これはトーマス・メイソンの生地を使ったシャツですが、現代的な裾仕上げと身幅、縫製仕様のバランスがちょうどいい。バンドカラーで、品よく見えるのも気に入っていて5枚ほど持っています。白いシャツってミニマリストみたいなイメージになるので苦手だったんですけど、これはドレスにもカジュアルにも着られて、どんなパンツにも合わせやすい。汎用性の高さが魅力ですね。素肌に着てもいいぐらい、着心地もいいです。」

  • Shirt [UNITED ARROWS] ¥19,800

UNITED ARROWS ROPPONGI

  • Shirt [UNITED ARROWS] ¥19,800

UNITED ARROWSには
伝統という絶対的安心感がある

UNITED ARROWSは日本という島国で西欧のドレススタイルを独自発展させてきた伝統的なブランドで、個人的に絶対的な安心感があります。これはトーマス・メイソンの生地を使ったシャツですが、現代的な裾仕上げと身幅、縫製仕様のバランスがちょうどいい。バンドカラーで、品よく見えるのも気に入っていて5枚ほど持っています。白いシャツってミニマリストみたいなイメージになるので苦手だったんですけど、これはドレスにもカジュアルにも着られて、どんなパンツにも合わせやすい。汎用性の高さが魅力ですね。素肌に着てもいいぐらい、着心地もいいです。」

オーバル型は何より品が良い
文字盤と旧ロゴがモダンです

AUDEMARS PIGUETのヴィンテージは昔からとても好きなんです。特にこのオーバル型は何より品が良い。デザイナー的な視点で言うと、1970年代のものはローマ数字の文字盤と当時最新のフォントからできた旧ロゴの組み合わせがとてもモダンです。スマホ前提のいま、腕時計って必ずしも必要のないものだけど、一つの工芸品として手元にあるだけでその人の佇まいを一格上げてくれる。ヴィンテージウォッチは歴史を纏って継承されていくカルチャーでサステイナブルですし、人と被らないのが良いですね。」

  • 1970s Vintage Watch
    [AUDEMARS PIGUET]
    ¥550,000

UNITED ARROWS ROPPONGI

  • 1970s Vintage Watch
    [AUDEMARS PIGUET]
    ¥550,000
  • ※ 一点もののため、
    お品切れとなっている場合もございます。

オーバル型は何より品が良い
文字盤と旧ロゴがモダンです

AUDEMARS PIGUETのヴィンテージは昔からとても好きなんです。特にこのオーバル型は何より品が良い。デザイナー的な視点で言うと、1970年代のものはローマ数字の文字盤と当時最新のフォントからできた旧ロゴの組み合わせがとてもモダンです。スマホ前提のいま、腕時計って必ずしも必要のないものだけど、一つの工芸品として手元にあるだけでその人の佇まいを一格上げてくれる。ヴィンテージウォッチは歴史を纏って継承されていくカルチャーでサステイナブルですし、人と被らないのが良いですね。」

ドレスもカジュアルもいける
汎用性の高さも気に入ってます

「職業柄必ずPCを入れるけど、カジュアルになりすぎたくない、という2点を両立させてくれるのがこのバックパック。MONOLITHのバッグは、サイズとモデル違いで4つ持っています。このスタンダードに加えてPCの出し入れが楽なプロというモデルがお気に入りです。僕は基本的にロゴものは持たないし、ドレスにもカジュアルにもいける汎用性の高さも気に入ってますね。ランドセルメーカーが作っているので、クオリティもすごく高いし、中のコンパートメントが細かくて使いやすい。サイドにはマグネットを使ったポケットもあるなど、細かい仕掛けが効いてていいなと思います。」

  • Backpack ¥24,200
    [MONOLITH]

BEAMS ROPPONGI

  • Backpack ¥24,200
    [MONOLITH]

ドレスもカジュアルもいける
汎用性の高さも気に入ってます

「職業柄必ずPCを入れるけど、カジュアルになりすぎたくない、という2点を両立させてくれるのがこのバックパック。MONOLITHのバッグは、サイズとモデル違いで4つ持っています。このスタンダードに加えてPCの出し入れが楽なプロというモデルがお気に入りです。僕は基本的にロゴものは持たないし、ドレスにもカジュアルにもいける汎用性の高さも気に入ってますね。ランドセルメーカーが作っているので、クオリティもすごく高いし、中のコンパートメントが細かくて使いやすい。サイドにはマグネットを使ったポケットもあるなど、細かい仕掛けが効いてていいなと思います。」

インダストリアルなイメージでも
機能がちゃんとしている

「アウトドアが好きなんですが、キャンプに行く時にタオルって何かと必要です。そんな時にこのミリタリーカラーはすごく使いやすい。オーガニックコットンと竹繊維との交織で作られているので、吸水性が良く、普通のコットンの倍にも感じられる上に、乾きも早いんです。長めの作りはフェスに行く時にも便利。男性でも使いやすいインダストリアルなイメージのタオルで機能がちゃんとしているものって皆無なので、重宝してます。N.ハリウッドらしいデザインも安心感ありますね。デザイナーの尾花さんは、古着屋さんで修行されていたこともあり衣服の知識が豊富で引き出しも多い。彼の作るデザインの文脈を辿っていくのは面白いです。」

  • Towel 各¥5,280
    [N.HOOLYWOOD
    TEST PRODUCT EXCHANGE SERVICE
    × HIPPOPOTAMUS FACE]

N.HOOLYWOOD

  • Towel 各¥5,280
    [N.HOOLYWOOD
    TEST PRODUCT EXCHANGE SERVICE
    × HIPPOPOTAMUS]

インダストリアルなイメージでも
機能がちゃんとしている

「アウトドアが好きなんですが、キャンプに行く時にタオルって何かと必要です。そんな時にこのミリタリーカラーはすごく使いやすい。オーガニックコットンと竹繊維との交織で作られているので、吸水性が良く、普通のコットンの倍にも感じられる上に、乾きも早いんです。長めの作りはフェスに行く時にも便利。男性でも使いやすいインダストリアルなイメージのタオルで機能がちゃんとしているものって皆無なので、重宝してます。N.ハリウッドらしいデザインも安心感ありますね。デザイナーの尾花さんは、古着屋さんで修行されていたこともあり衣服の知識が豊富で引き出しも多い。彼の作るデザインの文脈を辿っていくのは面白いです。」

タイムレスでデザイン哲学のあるアイテムを選んでいただきました。このように様々なアイテムが揃う六本木ヒルズですが、普段から行かれますか?
M : 近所に住んでるので週一は行ってます。僕、いまの会社を2003年に設立したんですよね。六本木ヒルズのオープンと同じ年です。その時事務所を近所に構えていたので、オープン時の活況感を鮮明に覚えています。独立して最初の仕事が、六本木ヒルズのオープニングイベントでのインスタレーションライブで。その本番日が前職時代最後に演出したミラノコレクションから帰ってきた当日だった、ということもあって自分の転換期にもなったので思い入れもありますね。
六本木ヒルズのイメージを教えてください。
M : できた時の衝撃がすごかったです。英国のグラフィックデザイナーのJonathan Barnbrookがサイン計画に携わってると聞いて六本木ヒルズの中にあるサインを全部廻ったりしてました。ロンドンで行われた現代美術の伝説的なエキシビション”SENSATION”に行ったときに、彼がデザインを手掛けたDamien Hirstの書籍に感銘を受け、時代が変わる気配を感じていた直後だったので、本当に痺れました。ヒルズ内にはクライアントのオフィスもあるし、UNITED ARROWS 六本木店のオープニングのお手伝いをさせてもらったりと、何かとご縁がありますね。昔からよく行っているので、生活圏の一部みたいな感じです。
六本木ヒルズに行ったら何をされますか?
M : UNITED ARROWSとESTNATIONはチェックします。あと森美術館は絶対行きますね。友人がたくさん住んでいるのもあって、待ち合わせして、お茶したりしますね。ブリコラージュに朝食を食べに行ったり、色々使わせてもらってますね。
色々あるというのも魅力ですよね。
M : そうですね。あと映画も忘れてはいけないですね。レイトショーはよく行ってました。基本的に森ビルという企業が作ってきたカルチャーが好きです。ビジョンドリブンでここまで経営を突き通してきた骨太感に勇気をもらえるんです。都市開発に様々なクリエイターを招聘して、これだけ先進的で文化的にも豊かな街を作るって本来とても難しいことだと思うんです。東京という都市の中心を森ビルという会社が担っていることが、日本のプレゼンス視点でも誇らしいですよね。褒めすぎだけど、本当にそう思ってます (笑)。
  • 表示されている価格は全て税込です。
  • 掲載情報は2022613日現在の情報となり、
    内容は予告なく変更になる場合がございます。

ムラカミ カイエ

日本を代表するデザイナー/クリエイティブディレクター。SIMONE主宰。クリエイティビティあふれるアイディアで、ファッションから都市開発まで、国内外の企業のブランディングを多数手がけている。