Interview
いろんな色があるから、
流行というポイントだけで
買い物をしない。
- 5つの華やかなコーディネートを提案して頂きましたが、今季はどんなムードがあると感じていますか?
- :去年までは「楽しもう」とか「リラックス」とか、そんなキーワードを大事にする流れがあったんですが、今年はもうコレクションからして勢いが全く違う。久しぶりに見ているだけで気分が踊りました。お洋服を打ち出すブランド側のテンションが全力で前に動き出しているって感じて、今改めてファッションがすごく面白いって実感しています。
- 本当に華やかなウエアが多いですよね。スタイリスト的な視点で捉えると、具体的にどんな色のアイテムが多いと感じますか?
- :本当にさまざまな色だと思います。コレクションブランドだけではなく、セレクトショップもドメスティックブランドもやりたいことをやっていて、それを打ち出している。例えばMUSE de Deuxième Classeは、春夏だけど柄も色もなく、黒いアイテムをメインで展開しているんですが、私はそれが「いいな」と思っているんです。「一緒じゃないといけない」、「どうやって着たらいいんだろう」っていう不安な気持ちをみんな抱えていると思うんですが、その根本にあるのは「間違ってはいけない」という考え方だと思う。でも私は「別に間違ったっていいじゃん」と心の底から思っています。
MUSE de Deuxième Classe
- 「間違ったっていい」とは具体的にはどのようなことですか?
- :洋服を仕事にしている私であっても、興味がないものもたくさんあります。まずは「自分が何が好きで何が似合うのか」と1番に自分軸で考えないと。それってシンプルじゃないですか。特に今年はいろいろなブランドがいろいろな色を打ち出しているから、トレンドのカラーなんて一括りじゃ言えない。でもそれが「いいな」と思えるのは、その打ち出しそれぞれにちゃんと個性と理由を感じるからなんです。「流行というポイントだけでは買い物をしない」というのも大事な考え方だと思いますね。