Interview
ベランダの梅に水をやるように
ささっとグルーミングする
それで十分なんです
- ヘアドレッサーとして、TAKUさんがメンズグルーミングを行う上で大切にしていることを教えてください
- TAKU(以下T):僕は仕事でも日々の生活でも「LESS IS MORE(最小限に抑えて最大限に表現する)」という言葉を大きなテーマとしているんです。男性のグルーミングも同じです。男性もメイクやネイルをする時代ですが、基本的に大切なのは「清潔感」と「自分に合っているかどうか」の2つだと思っています。必要以上にクレンジングしたり香水をつけたりすると、自分も会う人も不快になってしまいますから。もちろん髪や肌は個人差があるから、自分をよく知ることは重要。例えば、肌を綺麗にしたいからといって、肌の弱い人がいろんなものを塗りたくってしまうと逆効果ですよね。
- 今回選ばれたアイテムもそうした考え方のもとで選ばれたものですね?
- T : そうですね。「触った指や手が不快にならないものを選ぶ」ということにも気をつけています。男性も女性も髪を触る仕草ってとてもセクシーだと思うんですが、ベタベタの髪は触るのは嫌ですし、洋服についてしまうかも気になってしまいますから。また、男性の場合は、朝にスタイリングしてセットしたら、家に帰るまで髪を触らないというのが、僕の基本的な考え方。合間の時間にトイレタリーで一生懸命直してる仕草は、あまり美しいとは感じないんです。細かいことはあまり気にしないほうがいい。そういった考えのもと、使う時も使った後も快適に過ごせる、スタンダードなアイテムを選びました。
- 髪や肌の日々のケアで大切にすることはなんでしょうか?
- T : スキンケアであれば、クレンジング剤に頼らないで洗顔をするということ。髪の場合はシャンプーの前にブラッシングをするということ。シャンプー前のブラッシングで頭皮の汚れの80%は落ちると言われていますから。人間本来が持つ再生力を理解して、やりすぎないようにする。例えば僕はヘアドレッサーだけど、自分の頭には何にも付けないんです。朝歯磨きをして、顔を洗って、髭をちょっと整えて。肌に塗ったモイスチャライズクリームの余りを髪の根元につけて整えるくらい。ベランダの梅に水をやるように、朝のルーティンとして、ささっとグルーミングする。やりすぎず、シンプルに。それで十分なんです。