Interview
"What are you WEARing?"
香りもファッションもまとうもの
- クリス-ウェブさんは、香りにも詳しく、こだわりを持っているとお聞きしました。香りに包まれた暮らしというのはとても素敵で豊かなものだと思いますが、暮らしの中でどのように香りを楽しまれていますか?
- クリス-ウェブ 佳子(以下K):香りが大好きなので、お部屋ごとに香りを変えています。自分だけの空間であるベッドルームは大好きなウッディベースのマニッシュな香りにしていますし、家族やお客様が滞在するリビングなどの空間は、ずっと香っていても負担にならないものを選んでいます。柑橘系の主張のある強い香りは玄関や廊下など、人が通り過ぎる空間だけに使うようにしています。
- ウッディーな香りが好きなんですね
- K : 昔パリでタクシーに乗っているときに一緒にいた友人が、「個性的な香りをうまく自分のものにしているね」と褒めてくれたんです。それは “サンタマリアノヴェッラ”の香りだったのですが、その会話が印象的で、そこから古書やシガーなどのウッディな香りがより好きになっていったんです。そうした香りをつけていると街中で「何の香りをつけているんですか」と、女性にも声をかけられることも多くて。男性がつけてもおかしくないユニセックスな香りが好きなんですよね。フローラルな甘いものはあまり身につけないですね。
- 香りをつけるときに、気を配っていることはありますか?
- K : 季節やお洋服によって変えるようにしています。例えばカシミアのニットを着るときと、サテンのドレスを着るときってイメージする香りは違いますよね?香りにも温度感があると思うので、カシミアのときには温かみを感じる香りをつけるようにするなどして、楽しんでいます。今回選んだ香りも様々な場面で楽しめるものばかり。香りもファッションの一部なんですよね。昔ニューヨークのエレベーターで乗り合わせた人に“What are you wearing?”と聞かれて、一瞬何の話かと思ったのですが、香りのことを聞かれていたんですよね。その時、ああ香りも“wear=身に纏う”ものだなと納得。それから長い年月香りと共に過ごしていますが、本当にファッションの一部だと改めて思います。